お知らせ

包丁のできるまで

よいもの程手間をかけて丁寧に作ってあります。包丁の製作工程は、大きく鍛冶(かじ)・研ぎ・柄付けに分かれ、各職人の熟練の技により一丁の包丁が作られています。これから包丁ができるまでの製造工程をご紹介します。

□□「鍛冶 」□□
「鍛冶」では包丁の土台となる「地」を製作します。ステンレス材・鋼・ステンレス材の三枚を合わせ、幾度となく打ち鍛えていきます。工程は20以上あり、かなりの時間を要する上に、職人の熟練された技術により成り立っています。

▼ 鍛造(たんぞう)
材料の鋼を赤めてたたき、鍛えながら包丁の大まかな形を作っていきます。作業は、熱をさます「焼鈍(やきなまし)」と言う工程に入ります。再び加熱し、ゆっくり冷やすことで炭化物の球状化や鍛造によるストレスを除きます。

▼ 成型
プレスや切断機(押し切り)・グラインダーを使い、包丁の成型をします。

▼ 焼入・焼戻
炉に再び入れる「焼入れ」。切れ味を左右する重要な工程で、素材に応じた温度に加熱し、鋼の組織を変能させ空気によって冷却します。さらに150~180℃に再加熱すると鋼はねばり強くなります。この作業が焼戻です。

□□ 研ぎ □□
増谷刃物の特徴である包丁の研ぎ工程です。鍛冶職人が製作した「地」を研ぐことで刃を付け、美しく、切れ味が鋭い包丁に仕上げます。工程だけで20以上あるのが特徴で、職人の経験に確かな技術により、時間と手間をかけて丁寧に製作しています。

▼ 荒研ぎ
片面自動研削機にフラップホイールというペーパーバフで仕上げをします。

▼ 平研ぎ
▼ 本研ぎ
研ぎで出た歪みをそのつど取り除きながら、研棒(とぎぼう)という冶具に取り付け、切れる状態に研ぎ上げていきます。

▼ バフあて仕上げ磨き
円形の布を重ねてミシンで縫ったバフと言われるホイールの外周に、接着剤で研磨材を貼り付けたもので、荒目・中目・仕上げのバフで表面をきれいに磨きます。

▼ ぼかし・仕上げ
最後にフラップホイールというペーパーバフで仕上げをします。

□□ 柄付け □□
鍛冶職人と刃付職人により作られた刃を、柄に付ける工程です。柄付けも専門の職人がおり、多種多様な柄を製作しています。柄付け工程は約30工程ありますが、大きく分類してご紹介させていただきます。

▼ 洋包丁
荒削りされたハンドル材と口金をハンマーを使って、手作業でかしめ、ペーパーやすりの種類を何度も細かくしながら成型し下地を滑らかにつくり、ワックスでツヤ出しをします。

▼ 和包丁
中子(なかご)を熱し、曲がり具合を調整しながら、柄尻(えじり)を木槌でたたいて焼き込んでいきます。

▼ 検品・箱詰
丁寧に刃を吹き上げ、欠けなどを最終確認し、出荷します。

▼ 名入れ
人から人へ。複雑な工程、各職人の手を経てきた包丁の、最後の工程です。熟練の技で手彫りで名前を彫ります。

すべての工程を自社工房で行い、職人の手で自ら研ぐことによって、長く使っても簡単に欠けない一丁の包丁が生まれます。